さて気を引き締め、最後のレグ。北九州を目指し、機長は私。

 

北九州までの距離は短く、直線で29マイル。時間にして20分たらず。グランドを呼び、インターセクションディパーチャーと離陸後のインテンションを伝え、ゆっくり動き出す。すでにジェットが何機かつながって滑走路末端に向かって行ったから、離陸できるまで待たされるなー、と思いながら、滑走路中心付近に到着。

 

するとこの時管制官、とっとと離陸しろとのボイス。immediate take-offなんて単語、試験前の勉強でしか聞いたことのないような単語に一瞬たじろぐが、スロットルを押し込み、滑走路を駆け上がる。すると又してもこの管制官、すぐにレフトターンしろと言う。こっちはレシプロ、しかも単発セスナ。すぐにと言ってもまだ高度は200ft。言われりゃしょうがないと、レフトターンするが、90度左には小高い丘。いやはやビックリドッキリだよ。丘にぶつからないよう余計にターンし、丘を避けてから頭を北九州に向ける。

 

北九州方向を見ると、途中の山には薄いけど低い乱層雲がかかっていて、どうみても雨。北に迂回することにして、自衛隊芦屋基地に管制圏通過の許可をもらい、進路を東。そこから後は一直線。ストレートインだったのでパスに乗せ、余裕ぶっこいていたらTTSを高めに通過。思ったよりかなり先に接地し、いったんユーターンして誘導路に出た。私としたことが、お恥ずかし〜!!

 

ここで教官と別れ、急ぎ早、空港カウンターへ。うちらが乗るJASの出発まではまだ1時間。登場手続きを終えると、とりあえず一杯。しかしこの空港、ホントに小さく大島なみ。おみやげ屋も1軒しかなく、レストランもない。唯一あったのはよく駅にあるカレーのカウンターみたいな店。ここにNさんと入り、ひとまずナマで乾杯。

 

しばらくだべっていると、教官から電話が入り、教官と合流。改めて乾杯し、今度はホントに教官とバイバイ。

 

搭乗入口の手荷物検査の所に来ると、Nさん、いきなり「こんなの持ってんだよね。大丈夫かな」と、私にナイフを見せる。ヒェ〜。Nさん、セスナの運転に飽きて、ついにジェットでもハイジャックする気かな〜。私は、絶対検査で引っかかるから、それ、預けた方がいいですよ、と言ったのだが、Nさん、平気だよの一言で手荷物検査の入口に入って行った。

 

ナイフが見つかった時、巻き添えを食うのはゴメンと、少し遅れて私は手荷物検査に。すると、Nさん、荷物片手にヘラヘラ笑って立っていた。あのナイフ、検査に引っかからなかったんだな〜!!信じられん。去年の事件から検査が厳しくなったと聞いていたけど、日本のX線検査なんて全然たいしたもんじゃない。これじゃ日本のジェットもいつ、ハイジャックにあってもおかしくない。等と思いながらMD-11に乗り込む。

 

自分の席に座ると、吸い込んだビールの威力でうつらうつら。気が付くと着陸まであと20分のアナウンス。今日は北風だったから羽田は木更津からのILSアプローチだろうと予想をつけていると、左の下のほうに陸地の明りが見え始めた。そして高度を落とし、ランウェイライト発見。無事、ILS No1 34Rにタッチダウンしました。

 

その後、ターミナルまでバスで移動させられたのは、やはりJASだな〜等と思いながらも、10月からのJALとの合併前にJASに乗れたのは、ラッキーでした。

 

ターミナルでNさんと別れ、家路につきました。

めでたし、めでたし。

 

今年も楽しい旅ができたのは、旅行を盛り上げてくれたOさん、Nさんのおかげです。

そして何より、旅行が大成功に終ったはO教官のおかげです。

ありがとうございました。

 

 

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