鹿児島でもプランだけ入れ直し、すぐに離陸準備。
よくこの時期、会社では夏休みの話になるが、「どこに行ってきたの?」なんて聞かれて、うっかり「和歌山行って、高知行って、大分行って、鹿児島行って・・・。」なんて答えてしまうと、あれやこれや、ヒコーキがどうのと、話に付き合わなければならなくなるので、単に「別府温泉に行ってきましたー」と答えることにしている。もともと飛行場の外に出たのは大分だけだからね〜。
次のレグはNさん。天草に行きたいと言っていた彼が選んだルートは、熊本ではなく天草経由の長崎。
鹿児島を離陸し、いったん南に向け桜島を観光。彼の運転、山に翼をひっかけそうな位、山すれすれに山を一周。そして北上。
これは桜島
天草付近の島々
天草経由で次に向かったのは雲仙岳。まだ火砕流の後が生々しく残る山の斜面を、やはら翼をひっかけそうな位に飛んで更に北上。水門を開ける閉めるで騒いでいるなんとか湾を空から見物。
そして目指すは長崎空港。この空港、空港だけ陸地から離れている空港なんですね〜。平野にできた空港に慣れた私には、珍しかった。空港と陸とは道路でつながっている。ぽっかりとした島に、滑走路1本だけが目立っていた。
長崎にタッチダウンし、周波数をグランドに切り替えると管制官は女性。最近、女性管制官が増えましたね〜。東京TCAなんかも、結構女性が進出している。羽田のアプローチもうまくさばいている女性管制官の声を聞くと、すごいもんだと思います。
この時のグランドの女性管制官、声が妙に色っぽい。今まで聞いた中で一番を付けたい。こんな声で耳元でささやかれると、どうにかなってしまいそう!!そんな声だった。ぜひ、一度お顔を拝見したい。(見えないのがいいのかもしれんけんど。)
指定されたスポットに向けてタクシーしていると、その女性管制官、いきなりどこかのヒコーキに停止しろと言っている。相手のヒコーキからの応答は聞こえない。数秒後、再度止まれのボイス。が、どこからも応答なし。ところがタクシーして行くと、横から出発のジェットがプッシュバックされて移動して来た。ここで初めて管制官がコールサインを間違え、ホントはうちらのヒコーキに止まれと言っているのがわかったが、そのままばっくれて前進あるのみ。向こうは由緒ある管制官。間違えるのが悪いし、絶対間違えてはいけない人達なのです。
そう言えば、去年、上昇中のJALと降下中のJALがニアミスを起こした事故があったが、一次的原因はコールサインミス。それが発端で次々と人為的ミスが誘発されたようであるが、危ない時ほど冷静になって欲しいし、冷静を保つ訓練もして欲しいもの。
長崎といえば、長崎ちゃんぽん。
関東でも「長崎ちゃんぽん」なるファーストフードのチェーン店があるが、一度こげたちゃんぽんを出されたことがあった。それが吐きたくなる位まずくて、以来、ちゃんぽんは食わないようにしていた。
だから、ちゃんぽんは久しぶり。でもここのちゃんぽん、お味のほどは、とてもうまかったです。
時間はすでに昼過ぎ。実はこの日の午後6時50分北九州発のJASで羽田に帰ろうと予約していた。羽田行きはこれが最終。仕事は次の日も休みを取っていたが、一日うちでゆっくりしたかったので、この便には乗りたかった。が、福岡で買い物もしなければならないし、なんとなく時間が心配になってきた。
次のレグはドクターOさん。
またしてもデカイカラダをドンと機長席に固定させ、ゆっくりとテイクオフ。
食後のなんとやらで、わたしゃ後ろでうつらうつら。
3日あれば、壱岐でウニ丼でも食えたな〜、なんて思いながら壱岐を経由。着陸はせず島を下に見ながら最後の修羅場、福岡へ。
無線はさすがにひっきりなし。風は北なので南からの進入となる。福岡にアプローチして行くと管制官、10分ホールドしろとのこと。福岡で10分ならまだましな方かー、と思いながらOさんはセスナを旋回させる。
福岡ドーム周辺
ようやくダウンウィンドに向かえとのことだが、YSがダウンウィンドに入るので、この後に続けとのこと。視程が悪くなかなかYSが見つからなかったが、ダウンウィンド直前でYSインサイト。YSに続き、ダウンウインドに入ると、機体がガタガタ揺れる。「これがタービュランスだよ」と教官。タービュランスによっては機体がひっくり返ることもあるというのだから、おそろしや。
それにしてもこの空港、滑走路はたったの1本。誘導路には何機も離陸を待つジェット。そしてアプローチしてくるジェットもたくさん。これをさばく管制官はしゃべりっぱなし。大変な空港だと思った。せめて平行滑走路がもう一本あれば、少しは混雑ぶりが改善されるんでは・・・。
福岡に無事、タッチダウン。ここで会社へのみやげを買う。それにしても、みやげを買って帰るという余計な風習は、一体いつ頃からあるのでしょう。どーでもいいような菓子折りを何個か買い、うちの親には「稚加栄」のめんたいこを購入。
ここでOさん、みんなと別れて一足早く東京に帰るとのこと。Oさんを待ってる患者がいるから、しょうがないね。Oさん、お疲れさまでした。