8月21日。 第2日目。
朝は急ぐことなく、ホテルのバイキングを腹いっぱい食い、函館空港に向かう。
さて、誰が機長か。
ということを、まだ決めていなかったが、話し合いで奥尻島までIさん。そして奥尻島から札幌までをワタシ、と決定。
CAB事務所でプランを入れる。
ところで、函館から奥尻島のコースは、途中、自衛隊の訓練空域C−2を通過することになっている。
CABのあんちゃんのアドバイスにより、自衛隊に電話し、通過を一報することになったが、なにやら電話はたらい回し。担当がはっきりしない。やはり日本の公務員は、どこも、お役所で困る。
ところで、前日セスナを駐機する時、タイダウンを結ぶドラム缶のようなものを、飛行場の端から転がしてきたが、プラン入れるのにすったもんだしている間、教官が1人でタイダウンをはずし、ドラム缶を転がして行ってくれた。ありがとー。
天気は良好。ウインドカーム。ランナップ開始。
ところで
この函館空港。滑走路はRW12とRW30。つまり東南方と、北西方になっている。
そしてRW12にILSが設置されていて、ILSアプローチコースをそのまま延長すると、奥尻空港であった。
Iさんの操縦で、函館タワーとコンタクト。RWは12を指示される。
RW12ということは、ライトターンでダウンウインドをそのまま上昇し、VORに乗りそのまま奥尻へ。とイメージ(したと思う。)
タクシーを始めると、なにやら無線が聞こえる。なにやらRW30に着陸しようとするジェット機があるようだ。
こりゃ、タイミングが合えば、正面衝突。
向こうがベースに入る前に、離脱せにゃならん。
パワー全開で、のそのそエアボーン。
そして、ライトターンを2回繰り返し、ダウンウインドを上昇していく際、左側に、RW30にアプローチするジャンボが見えた。
こんなでかいのにぶつかったら、それこそ最後。
なんかIさんが操縦すると、ハラハラが続くねー。
実は、ハラハラ、まだ続くのであった。
VORのアウトバウンド295度に向け、ダウンウインドを上昇し続けている時だった。
教官が上の方を見回し、「なんか、でかい影が通った」と言う。
そんなバカなことはないだろう。
無線は何も入っていない。
みんなで窓から上を見るが、なんも見えん。
そして、VORのアウトバウンドに乗り、数秒後のことだった。
突然、函館タワーから日本語で「ファイナルコースからよけてくださーい。ファイナルに一機アプローチ中でーす。」
と、けたたましい声。
前を見ると、距離はあったがジャンボがこっちめがけて突っ込んでくる。
Iさん、あわててレフトターン。
ファイナルコースから、それる。
1マイル程離れて、ヘディンク゛を戻すと、ジャンボが右側をアプローチしていった。
おー、こわー。
このジャンボ、垂直尾翼を見ると、なんと日の丸。
つまり、政府専用機!
どうやらこのジャンボ、さっきRW30にアプローチして行ったヤツ。
そのまま着陸せず、タッチアンドゴーして、ウチらのセスナの上を追い越して行き、その時の影が、さっき教官が見た影。
そして、ユータンして今度は、RW12にアプローチと、訓練中であったような感じ。
それならそうと、管制官も言ってくれれば、こんな「こわー」な目には、合わずに済んだのに。
その後、奥尻島から函館に向かうツインオッターともすれ違う。
同じVORで、同じラジアル出して飛んでいるから、当然と言えば、当然だろねー。
奥尻島が見え、降下開始。
海に近付くにつれ、海の色がバスクリン色をしているのに気が付いた。
まるで、グアムやサイパンの海の色。
なんで、こんな北の海に・・・・・、と思ったが、考えてもわからないから、考えるの、やめた。
タッチダウンすると、マーシャラーが出て来て、誘導してくれた。
こんな小さな空港に、と思ったが、マーシャラーに誘導されてスポットインするのは、なんとなくラインの気分。
Iさん、おつかれー。