出発の前日。曇。
いてもたってもいられないので仕事を休み、桶川に向かう。
訓練生の時代を思い出し、たまにはバスで河川敷まで行って、荒川に沿って散歩がてら歩いて行こうかなー等と思っていたが、桶川に着くとすでに雨がポツポツ。しょうがないので大金をはたき、タクシーに乗る決心をした。(もともと私は、タクシーは上流階級の乗り物だと信じているので、あまり乗らないことにしている。)
この日の一週間前から気象庁のスーパーコンピューターは、「出発日の2日前、朝鮮半島付近で低気圧が発生し、発達しながら東進する」予報を出していたが、おそるべしやコンピューター。予想とドンピシャの地点に低気圧発生。前線を伴い東進していた。
ホンダでエコーを見ると、九州に雨域。天気予報やらタフもこぞって悪天予報。
う〜ん、どうしたものか。
同行のO教官と協議した結果、出発の朝7時に最終決定し、都内居住のOさんに電話連絡。9時離陸の予定にしましょう。と短絡的な結論を導き出し、教官と近くの居酒屋にチェックイン。
この店、最近できたらしい。名前は「ぽんぽこ」と、人をばかにしたような名前。最寄バス停の近くにあり、よくこんなところで商売ができるなー、というような場所柄にもかかわらず、それなりに客が入っていた。聞けばバニーちゃん&セバスチャンが常連かつ密会の場所となっているとのこと。蒸し暑さが手伝って、体の吸い込みがよく、ナマから始まり、焼酎ガバガバ。体が重力を感じられない状態になり、お開き。
そしてホテルホンダに戻り、ベットイン。
(Nさんは仕事が遅くまで続き、午前2時にホンダ着。)
明日は、晴れますように。
出発当日。
いつもの平日タイムである5時半に起床。なんはともあれ空を見ると、どんより曇っている。運航部に行きエコーを見ると、九州付近で前線によるものと思われるエコー。ひまわり赤外画像から見ても雲頂高度は高く、予報ではこれが東進。つまり西に向かって飛べば、どこかでこのエコーにぶつかるってえことだぁーな。
こりや大変なことになった、と思っていると教官も登場。そんで深い眠りについているNさんも起こしてきて画面をみつめること、うん十分。
こりゃだめだ、との結論に達し、ドクターOさんに連絡し、出発は明日へ持ち越し。
出発延期が決まれば、とりあえずまた寝ましょう。とまたベットに横になり、うつらうつら。ホンダ始業時間になり、既にとってあったパーミッションのキャンセルの連絡のため、運航部から各飛行場に電話。
さてさて、今日一日、どうしようか。一日長いんだよね〜。ホンダから家までは往復5時間以上。うちに帰っても、またすぐホンダに戻るようになってしまうので、ボードを見て、訓練に当たっている教官に頼みこんで、訓練生のヒコーキに乗せてもらうことにした。
訓練生はSさん。ライセンサーだけどブランクが何十年もあり、最近また同乗で練習を始めた人。Sさんwith O教官の訓練(TGL)に乗せてもらいました。
その後、Nさんと昼食。Nさんは昼食後、キャラバンに乗せてもらうと行って、ヒコー場に消えていった。(ちなみにキャラバン同乗は6,000円だかの金をとられる)
1人になった私。さて夜まで長いし。しょうがない。今日はもともと飛ぶはずだったから、飛ぶっきゃない。
てなことで、TGLをやることにしました。そう言えば免許取ってから誰かしら隣に乗っていたが、全くの1人の運転は今までなかったかもしれない。
パラシュートの合間に、できるだけやろうと思い、離陸しました。
ところがなんということか、着陸したキャラバン、あっと言う間に人を乗せ、また離陸してきやがった。
やつらのためにホールドして、その分の金を払うのもしゃくにさわるので、ダイビングが始まる前にフルストップ。すると、なんと飛行時間、たったの20分。TGL3回で終ってしまった。それにしても最近のダイビングサイクルは短いのってもんじゃない。確か昔は40分位のところ、20分がワンサイクルだからねー。繁盛してるのもいいけど、マイナースポーツをやるうちらは、その分のツケを払っているという事実を彼らは考えてもいないだろうね。
ホンダ終業後、Nさん、O教官と銭湯に行くことになった。私は知らなかったが、この地方の銭湯は、「スーパー銭湯」と言って家族の語らいの場になっている。駐車場はほぼ満車状態。中には人がうじゃうじゃ。都会じゃ絶対考えられない施設。
湯につかって気持ちよくなった三人は、またしても例のポンポコ。
店の中はちょー混雑状態。カウンターしか空いてなかった。お座敷には若いネーちゃん達がワイワイガヤガヤ。なんと彼女達、ダイビングの一行でした。やはり向こうがメジャーだねー。休日の飛行場を占拠してるし。しかし、よくこんなかわいい顔して空から飛び降りらるなーと妙に関心しました。ノミの心臓の私には、絶対できん。
こっちも負けじとガンガン飲んで、ホテルホンダに戻ったのは午後11時。
明日こそは、飛ぶぞ〜!!
(前置きが長くなりました。次頁は、やっと離陸)