佐渡に着くと、まずはプランクローズ。

CABの事務所に行くと、手回し式黒電話を指さし、あれを使ってくれと言う。

なつかしいねー。(とは言っても、私の時代には、すでにダイヤル式黒電話だった。)

言われるままに電話機のハンドルをぐるぐる回し、新潟のCABに電話し、プランも無事クローズ。

 

電話と言えば、離陸前にうちの会社から、携帯に電話があったことを思い出した。

たいした用事なんか、ないだろうと思い、会社に電話したが、ホントにたいした用事ではなかった。

電話に出たのは直属の上司。彼いわく、「えらい人が、無事飛んだか電話しろというので、電話した」だとさ。

うちの会社は、ホントにばか。なんかありゃー、こっちから電話するっちゅーの。

むしょうにイライラする。

でもうちの会社は、こんなくだらないことで毎日すったもんだするから、ストレスは、たまるいっぽう。

こんな時くらい、会社のことは忘れるつもりだったんだけんどねー。

 

佐渡は、何度かフェリーで行ったところ。

佐渡空港にも行ってみたことがある。

いつか免許取ったら絶対、ヒコーキで飛んでこようと、決心したんだっけなー。

こんな形で夢がかなうとは、思わなかった。

 

飛行場には事務所の人以外、誰もいない。

定期便があることは、あるみたいだけど、「本日休み」だと。

 

短いトイレ休憩の後、離陸準備。

次の機長は、Iさん。

彼は私とほとんど年は同じ。訓練生から機長に昇格した日は、全く同じ日。くされ縁というやつ。

 

Iさん、てきぱき離陸準備を始める。

手回し黒電話で、プランを入れ、セスナの外周点検。

でもIさん、豪快なところがあって、今回の空港の諸源は何も調べてないという。(こわー)。

なんとかなるさ、というところが、彼のよいところ。

 

佐渡に別れを告げ、離陸。

目的地は、秋田空港。この後、ハラハラドキドキ体験が、待っている。

 

 

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