佐渡を出発。目指すは秋田空港。
(実は、このページを書いているのは北海道から帰って、もう一か月が経過し世界貿易センターもなくなってしまった。テレビでは戦争だのなんだのと騒いでいる。日本はなんと平和なんだろう。老いのせいか、一ヶ月前の記憶があいまいになってきたのが、くやしいところ。)
Iさんの操縦で上昇を続ける。
本州は、まだ見えてこない。
が、なにやら島が見えてきた。ありゃ粟島だー。
ここで一抹の不安があった。
それは、燃料。
4人プラス荷物たくさんのため、燃料を減らした。何度も計算し、向かい風の場合でも秋田までたどりつける燃料は十分にある。と計算した。
しかし燃料計が半分を切り、更に4分の1の目盛りを針がフラフラし始めた。
教官が、1分間に1度は,燃料計を覗き込む。後ろから見てると、まるで振り子時計の振り子。
一度新潟に降りて給油する手もあったけんど、教官の「行きましょう」の一声でダイレクト秋田を目指すことに。
最初は陸地に入ってから海岸沿いに北上するはずが、VORで秋田にホーミングし、直行のコースを選択。
やっと陸地が見え、庄内空港を右手にインサイト。
しかし4人とも、口数が減る。
陸地にでかい山が見えてくる。これは、鳥海山。
後ろでコンピューター片手に、燃料計算を何度もやってみる。
計算上は、秋田に着いても、まだ40分は飛べるはず。
なのに、右タンクがほとんど「ゼロ」になってきた。
やばー。
どーなんのー。
教官の振り子時計式の首の動きが速くなる。
何度も何度も燃料計を覗いている。
(私は、無意識のうちに、救命胴衣の位置を確認。)
ロングナビの体験はいいが、不時着実演の体験なんか、したくない。
計算では、あと10分で到着。
秋田空港らしいのが見えてきた。
もしものガス欠に備え、高度は下げない。(滑空して、届かせるため。)
着陸は、いっぱつ勝負。
ゴーアラウンドは許されない。全てはIさんの腕しだい。
ダウンウインドから入り、ハイ ベース。
左タンクの燃料計の針は、左端でピクピクけいれんしている。
こわー。
ファイナルに乗り、いっきに高度を下げなからアプローチ。
スレッシュホールドと同時に、パワーカット。
ガソリン、間にあったー。
接地と同時に、拍手ー!!
よかった、よかった。
ほんとに、よかったねー。
エプロンに駐機して、燃料タンクを覗いたら、右タンクは底が見えた。
左には、まだ少し余裕があったので、あと30分は大丈夫だったのだろうけんど、こわかったー。
これからのフライトでも、燃料だけは気を付けたいねー。
ローリー呼んで、ガソリンを入れ、空港ビルに向かう。
ノドはカラカラ。
ここでビールごくんすると、吸い込みいーねー、きっと。
でも、まだまだ道のりは長い。
うどん屋で、「いなにわうどん」を食う。
私はどちらかというと、そば党。もぐもぐしながら、そばの苦さが口の中に広がる感触が、大好き。
でも、このいなにわうどん、けっこううまかった。そばのような歯ごたえ。そして、透き通るような味。こんなうどんなら、何杯食ってもいいねー。でも、ちと高かった。付け天ぷらで、たしか、1,400円位、とられたなー。まあ、許そう。